問題児たちが異世界から来るそうですよ? あら、魔王襲来のお知らせ? [角川スニーカー文庫]
これぞ、THE ごった煮!
【打倒! 魔王!】を掲げた弱小チーム”ノーネーム”に届いたのは、北の”火龍誕生祭”への招待状。魔王襲来の予言があり、東のフロアマスターである白夜叉から参加を要請されたのだ。「それ、面白そう!」と黒ウサギを置いて北へ向かった問題児たちから「今日中に私たちを捕まえられなかったら、3人ともノーネームを脱退するから!」という手紙が!? な、何を言っちゃってるんですかお馬鹿あああーー!!! どうする黒ウサギ!?
「もう寄生虫だの何だの言われたくないんだろ? 変わりたいって言ったじゃねえか。ならちょっとカッコいいところを周りに見せつけて、名を挙げてやろうぜ、リーダー」
ド派手なバトルを展開しながらも、緻密に練られた設定を駆使して、あっさりと僕ごときを虜にしくさったシリーズの2作目です。
「魔王を倒す」という突拍子もない目標を掲げた”ノーネーム”には、平穏を何よりも嫌う3人の問題児が。今回もその3人が楽しみを求めて、冒頭20ページ足らずで脱走します。そしてそれを必死で追いかける黒ウサギ……嗚呼、君は本当に苦労者だねw
たどり着いたその地区のお祭りでは、”ノーネーム”の目標である「魔王」が襲来するという予言がなされていて……波乱が起きないわけがありません。
今回も序盤からフルスロットルで何よりです先生。前巻で勢いのままにスルーしてしまった「箱庭へ来るための犠牲」という面についても冒頭からしっかりと触れていて、今後の掘り下げがさらに楽しみになりそうです。
そして問題児たちが行動範囲を広げてしまったのが災い(?)したのか、魅力あるキャラクターがあちらこちらに新登場! その賑やかさたるや、頭痛の種が増えてしまった黒ウサギに同情したくなるほどです。
飛鳥と耀はもう相変わらず可愛いし、黒ウサギの盤石なツッコミスキルも変動なし。さらに今巻は十六夜と白夜叉がチラリズムについて熱い激論を交わしたりと、どうもこのキャラたちにはこの莫大な広さを持つ「箱庭」ですら狭いようですねw 前半はそれこそ縦横無尽にキャラクターが駆け回ります。
ついでに言うと、耀の出番はあまりなかったものの、正直めちゃくちゃ可愛いです。溜まらんと。
1巻が力がすべてのパワーゲームだとするならば、2巻は完全なる知略戦と言えます。
これには驚きました。十六夜が腕を振るうだけかと思っていたのに、展開されるのはグリム童話をモチーフにした謎かけ合戦。やはりというか、読みにくさと分かりにくさは相変わらずだったんですが、かなり歯ごたえのある内容のギフトゲームになっていました。
中でもジンが十六夜に背中を押されるシーンと、飛鳥が特別な苦悩を見せるシーンは強く印象に残るほど。見せ場を見せ場として読者に読ませることが出来るのは、純粋に凄いと思います。
総評として、あのサクサクとしたテンポがダウン……平常に落ち着きつつあるものの、魅力あるキャラクターをはじめとする大事な根幹はまるでズレていませんでした。
3巻もこの知略戦を使ってくるのか、はたまた新しい試みで挑んでくるのか。何にせよ、楽しみが尽きないシリーズ、もとい作家です。次巻は12月頃だそうですよー。








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