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シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精 【52】 [角川ビーンズ文庫]


お知らせ

時間の都合上、傑作選は取りやめることになりました。
これからは1週間に1回の更新を、無理なく目指していこうと思います。

【先週の答え】
『初恋マジカルブリッツ』
『銀盤カレイドスコープ』
『よくわかる現代魔法』
『紅』
『ドラゴンクライシス!』
『鉄球姫エミリー』
パーフェクト・ブラッド』
『迷い猫オーバーラン!』
の順番!



シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精 (角川ビーンズ文庫)

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精 (角川ビーンズ文庫)




ストーリー:4
キャラクター:7
世界観:7
文章:5
イラスト:6
意外性:3
オリジナリティ:4
見せ場:5
演出・構成:5
セリフ:6

シリーズ総点:52


点数に現れない魅力がたくさんある作品でした。点数のつけ方を見直す必要があるようです。
シュガーアップル・フェアリーテイル。噂はかねがね耳にしていた少女向けシリーズ。このたび、やっと手に取ることができました。

特別な祝い事などに使われる【銀砂糖】。生命をも司る銀砂糖を、最高の手腕で細工する【銀砂糖師】を目指して努力する少女・アンが、王都の品評会に向かうところから始まる物語。
この少女アンが理屈抜きに優しいんです。蔑視される立場の妖精を助けたり、妖精にとって命にも等しい片翅を交渉材料に護衛として従えたシャルにも命令できず、「甘い」とバッサリ切られたり。
説明的な過去や理屈がないシンプルな主人公・アンがこの物語を引っ張る。特殊な能力なんて何もない、母の跡を継ごうと決めた少女がいろんなものを見て、恋をする。それだけの話がとても楽しく感じられます。


妖精を使役といっても、片翅を人間に持たれることは、妖精にとって死の恐怖すら感じること。「優しい」アンはシャルの片翅を盾に命令を下すことも出来ず、シャルはそんな彼女をバカにしてばかり。
けれど実は、お互いに何かしらの第一印象を抱えていて、それがどんどん大きく膨らんでいく機微がかなり書き込まれています。
激しい戦闘の代わりに繊細な心情を、野望に息巻く言葉の代わりに淡い恋心をたっぷり詰め込んだ、それこそ砂糖菓子のように甘苦いストーリー。児童書のようで、その実きちんと少女物語。
ストーリーの起伏こそ少ないものの、安心して読めるシリーズになってくれそうです。ファンタジーって、やっぱりこういうものだよなぁ。


タグ:51~60
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